私の対面集合研修では、5~6人の小グループに分かれて自由に討議することが多いです。そうなると、その中に威圧感、腕力でその場の雰囲気を作って、自分に逆らえないようにして仕切ろうとする人が必ず出てきます。論理や言葉ではなく、短気で強引な力ずくが得意な人です。いわゆるドラエモンのジャイアン、またはジャイ子です。それはどんな業種、階層でも現れます。ジャイアンが出てくると、必ずグループにいる、のび太やスネ夫は黙ってしまい、ジャイアンの顔色を見ながら遠慮がちに話します。もちろんそれを見たらファシリの私は介入して、自由に話すように促しますがその繰り返しです。
しかしオンライン研修では、それがなくなります。全員が自分のホームからの参加ですから、本来のありのままの自分でいられます。研修の場で起きる緊張した空気感はなくなり、平等な場が設定され全員テーマについてフラットに手をあげて自分の意見を自由に活発に行い結果相互討議が対面集合以上に起きます。これは想定外の良い効果です。オンライン研修の最初はみんな、オンラインで何ができるの?という疑心暗鬼の表情から最後のころは、自分は十分に発言、聞くこともでき、討議も深まり、満足した明るい表情に変わっています。そして今度が、ライブで会いたいねというポジティブな気持ちをだいたいの人が持ってくれます。
先日丸の内の地下鉄の中で、大企業の部長と思える(役員なら社用車)2人が、オンライン会議の悪口を言っていました。画像は止まるし、音声は遅れるし、一緒に話し始めてしまいいらいらする。何より細かい表情が見えないし場の雰囲気、空気が読み取れない、作れないので、コミュニケーションの伝達がなかなかできない。あんなものはダメだ。と糾弾していました。技術的問題はすぐに解決しますし、進め方のルールを作ればたいていのことはうまくいきます。彼らの不満は、彼らが得意とする自分の態度、姿勢、身振りによる威圧感、発言の内容よりその語気や、スピードにより、その場を支配することができない。またそれを感じて、周囲が自分に忖度してこないことが真の不満です。しかし上下関係が薄くなるオンライン会議は若手には好評です。
先日のオンライン笑点で、七光りだけで面白くないといつもいびられている三平がきょうは、うるさくて怖い、木久扇さんや、円楽さんが隣にいないのでリラックスできると喜んでいました。リラックスしてもつまんない答えは変わりませんでしたが。
オンライン討議になると、ジャイアンの影響は薄くなり、本来ののび太、スネ夫の力が出せる環境になります。いいことです。コロナが去りまた、対面の会議、グループ研修になっても、オンラインと同じように、ジャイアンにのび太もスネ夫も立ち向かえるか。その対立を恐れていたらまたもとに戻ります。たくさんのジャイアン、ジャイ子は元の影響力を発揮したいのですから。のび太とスネ夫の覚悟と決意に期待します。
それでは、チュース!!