タグ別アーカイブ: 職場風土

587.わくわく、どきどき職場が、目的の管理職は間違っている。

私が、昔代表を一時期していた、「職場風土改革」専門のコンサルタント会社は、オーナーの「なぜ会社は変わらないか」の本が爆発的に売れ、一時、受注が殺到しました。簡単に言うと、職場風土が良くなれば、良い戦略、戦術が生まれ、職場の関係性もいいから、その実行の円滑に進み、見違えるようによくなるというストーリーでその絵姿に憧れて、多くの会社がやってきました。その本は創作であること筆者から聞きました。私は、後半の部分の職場風土が良くなれば、本音が担保され、浸透、定着、実行がうまく機能しやすく、業績が上がるというところはある面、そのとおりだと思います。しかし、職場風土と戦略、戦術の作成は関係が薄いと思います。そこは全く違う、能力、スキルです。先を見る目と自社の実力、そして実行組織の準備と、人財の採用育成です。

マネジメント研修をしていて、自分がどんな職場を作りたいかというと、管理職の半数以上の人が、社員がわくわく、どきどきして、楽しく仕事ができる職場を作りたいと答えてきます。その結果、どんな良いことが会社に起こりますか。わくわく、どきどきがないと、どんな不都合が会社に起こりますかと質問すると、多くの人は、えーっという顔をするか、他に何か必要なんですかと逆質問されます。職場、会社の目的は業績、収益を上げることです。そのためには硬直した、風通しの悪い、情報が伝わらない、本音が言えない職場より、自由で、風通し良く、情報伝達が円滑で、皆が事実に基づいて活発に議論できるほうが、確実に収益はあがり、結果を出せます。そのための職場風土の活性化なのですが、最近その上位目標を忘れて、部下や、メンバーが気持ちよく仕事さえできればいい、結果はそうでもいいと考える人たちが急増しているのは、なんとも不安で、このままでは、会社は弱くなり、しいては日本の国力まで落ちてしまうのではと危惧しています。

元いた、風土改革の会社は、オーナー始め完全に左寄りで、社員、従業員だけ幸せになれば良いという考えで、私の会社業績うんぬんの話をすると、みんなから「住永さんて、資本主義的」と批難されました。それが早くその会社を辞める一つの理由でした。職場風土だけよくなっても絶対に会社は生き残れません。実際に職場環境はよくなっても、次のビジネスが見つからずに倒産していった会社をいくつか見ています。

最近のパワハラ怖さで、管理職は部下に対して、および腰、弱腰になっているのは事実です。しかし、わくわく、どきどきが、仕事の最終目的は、間違っています。それを踏まえて、会社の業績を上げていかないと、従業員を守れません。やはり、厳しく部下に接することや、時には部下と対立することも必要です。会社が生き残って、勝ち残っていくのは、これからの世の中で本当にたいへんです。勝ち残るには、どうしたらよいか、部下、チームと一緒に考え、実行していってください。やることは、いきいき・どきどき職場だけでは、ないはずです。

それでは、チュース!!

415.トップダウン信者とボトムアップ信者の戦い

私の仕事の主テーマに、戦略、方針をいかに上から下に伝え行動させるか、また下から上に現場情報を流して経営戦略に反映させるかがあります。なぜ、そんなことを大切と考えるようになったかのいきさつを話します。

私が勤めた富士フイルムは、銀塩写真フィルムで圧倒的な差別化技術を持ち、長い間会社の優位性を技術力で維持してきました。優秀な人材はたくさんいましたが、ほっておいても売れる素晴らしい商品がありましたから、人材は金太郎飴的で良く、尖った人間は一部のリーダーになる人間以外は必要ありませんでした。ですから、トップマネジメント、幹部管理職は圧倒的な権力、権限を持ち、トップダウンで事を進めていました。私の上司だった現在の富士フイルム古森会長はその典型でした。古森氏がドイツの社長時代、彼のスタッフN氏は、古森さんの強権、横暴に見える彼のビジネス姿勢に良心から危惧を持ち、変革してもらいたいと思っていました。90年台後半のその頃、日本で職場風土改革の会社を設立していたS氏の本「なぜ、会社は変わらないか」がベストセラーになっていました。内容は暴君だった部長が、部下とのやりとりを通して改心して民主的なリーダーに変革し、部も会社もハッピーになるというストーリーでした。N氏は、その本を読み感銘しこの内容を古森氏に共感してもらい、古森氏も会社も変革して行こうという企てをし、日本からS氏を高額で呼び研修を行いました。古森氏は、S氏が自分と同窓の東大教養学部の博士を取得していることに敬意をはらいました。S氏は、若い時にドイツに滞在し自分の会社名もドイツ語から取り、ドイツ語学学校も設立、運営するほどのドイツびいきでしたので、忙しい中そのオファーを受けデュッセルドルフまでやってきました。

そもそも古森さんは職制を通した超トップダウンを信望、S氏は権力、権限による組織マネジメントを否定、フラットな組織で内発的動機だけで動く組織を信望、組織風土が良くなれば自然と良い戦略は出てくると言う考え方です。これは宗教が違います。水と油です。私はうまくいかないと懸念していましたが、N氏は強行、研修はなんとか終了しましたが、その後の会食で、古森氏とS氏はバトル勃発、双方とも超強気で自信家、譲ることはしませんから、激しい相手非難になり決裂したまま終了しました。その場にいたN氏は胃痙攣になって病院に行ったか運ばれたそうです。

当然古森氏は、その後、なぜあんなのを呼んだのと激怒、私はその後S氏の会社で少し働きましたが、S氏は古森さんを、今どきあんな軍隊的な高圧的なリーダーがいるなんて信じられない。富士フイルムは彼がリーダーならじきにつぶれると何回も言っていました。これは、考え方が180度違うから必然として起きるバトルです。S氏は、普段は弁証法のへーベン、アウフへーベンを持ち出し、異なった意見も受け入れる姿勢を見せるのですが、この時は完全否定でした。

今から20~30年前まで、日本の会社の技術力が圧倒的に強く差別化出来ていた頃は、やることを細かく指示するトップダウンが効率的にワークしていました。灰皿やファイルが飛び、罵声が響くパワハラがあっても、問答無用で上の言う通り従って動く方が効率的な時代はそれが効率的でパワハラは黙認されていました。しかし今の時代は、現場に近いところで、現場で起こっているところの情報、特に悪い情報も上に上がって行って戦略を適確に修正しなければビジネスの成功は危ういと思います。そしてその情報アップ・ダウンの時は風通しの良い職場風土は大切です。しかしS氏が言うように職場風土が良くなれば良い戦略は出てきて会社は良くなると言うのは違うと思います。大きな戦略は視座、視点が高く、未来の環境変化情報に敏感で、自社を取りまく状況の視野が広く、社会の情勢、自社の状況を理解が深い、高度な能力、スキルを持った人間しか良い戦略はできないと思います。最近、戦略に困った経営陣が現場でお客に接するセールスや、サービスマンにお客の声を直に取れるのは君たちだから、君たちが現場から戦略を作って欲しいと指示を出します。しかしそれは無理です。彼らの本来の機能は売ること、修理することです。

戦略の実行のコンサル、研修をしていて私の大きく影響を与えてくれた、強烈なリーダーたちのそのバトルを思い出しました。ちなみに富士フイルムは、大きな変革を実行、成功、ゼロックスまで傘下にいれ経営は順調です。いっぽうS氏の会社も実行経営者は変わりましたが、風土改革の需要は大きく、ビジネスは堅調のようです。まあ大人げもなくケンカする必要もなかったと思いますが、お二人のエネルギーはすごかったです。

それでは、チュース!!

394.管理職、社員の心配事、悩みの半分はコミュニケーション

研修で、最初にみなさんの心配事、悩み事、困ったとは何ですかと聞いて、チームで自由に書き出してもらうと、一般から管理職、役員まで、それの半分以上はコミュニケーションです。海外で仕事をしている時は、仕事ではみんなが自由になんでも言ってよい環境なので、コミュニケーションの悩みは少なかったです。

コミュニケーションでの日本の会社の部長・役員の悩みは、下に言っても動いてくれない、わかっているのかいないのかわからない、何も質問がないからいいかと思っていると後になってわからない、聞いてないと言う。課長・中間管理職は、上の人の言う事がよくわからない、一方的、言葉足らず、目的・背景がわからない、でもわからないとは聞けない、自分で判断してやって後で怒られる。下にどういうふうに伝えて良いかわからない。上司の言った通りか、書面で伝えるから想いが入らない、言っても下はなかなかやらない。横の部門とは壁があってなかなか話ができない。一般社員は、上の言っていることがよくわからない、命令、指示がくるだけ、言われたこと、指示したことをやるだけ、上に疑問、質問はできない雰囲気があると言います。

結論から言いますと、少しきついですが、私はその人たちには仕事、職位は役割であるという認識が少ないのです。仕事ですから、わからないことは聞かなければなりません、理解できなければ理解できるまで、自分で考えるか、情報を集めるか、人に聞くことです。仕事の役割より、その職場、上下の関係性を重んじるから聞けないのです。みな遠慮、配慮、忖度しておとなしくなってしまうのです。そしてこの雰囲気を作っているのは、間違いなく上層部です。かれらがコミュニケーション円滑の妨げになっています。私は多くの会社を見て、職場風土や、重いコミュニケーションを作っているのは上の方たちです。ゆとり世代、うんぬんの批判もありますが、基本は上の方たちが、わかりやすい話しをして、質問を受けてもOKな雰囲気をして、下の言うことに聞く耳を持てば、コミュニケーション、職場風土は格段によくなります。

コミュニケーションの語源は、「相手やチームに自分の考えていること、やって欲しいことを行動に 移してもらうこと 」ですから、自分が役割としてわからなければ上や周囲に聞くことは義務と思ってください。また上の方たちは、質問、疑問が自由に下から聞けるような雰囲気をすぐ作ってください。これは仕事の成果を出していくためにはとても必要なことです。

それでは、チュース!!

210.悪い情報が上がらなくなった組織は危ない

先日、新東名の新名所になっている、清水と沼津のサービスエリアに寄りました。今までの飲食とトイレの提供という機能ではなく、そこにいることが楽しくなるような作りです。トイレは高級ホテル並み、女性用には豪華な化粧スペースもあります。ショップもとりあえず必要なコンビニに加えて、高級ブティックが入っています。地元の物産も箱に入れたお土産品だけでなく鮮度の良いそこでしか手に入らないものをリアルに実演販売しています。思わず生桜海老と生シラスを買ってしまいました。レストランも高級店に加えて、地元ならではの「富士宮やきそば」みたいなファーストフード、さらに東南アジアによくある、小さな屋台風の店が並んで、そこで買ったものを机と椅子をたくさんおいた広いオープンスペースで自由に食べられるようになっていました。建物の外観、内装、スペースも今までにないお洒落なものに変身しています。特に沼津では、駿河湾が高台から一望できこの眺望だけでも寄る価値があります。今まで東名では、富士山がよく見える富士川サービスエリアが一番の人気でしたが、たぶん多くの客が新東名に流れてしまっていると思います。

新東名のサービスエリアの話が長くなりましたが、きょうはその話が主題ではありません。新東名のそのエリアの管轄会社は、同じエリアにある中央道も管轄しています。新東名のサービスエリアのオープンで盛り上がっているちょうどその頃、笹子トンネルのコンクリート天井板落下事故が起こり、多くの方が犠牲になりました。中央道は開業から30年以上が経過していますが、トンネル天井板の落下する事故は、その間に他の高速道路も含めて一度もありませんでした。しかし、点検作業をする関連会社からは、その安全性についての懸念はレポートとして上がっていたようでもあります。もちろん絶対に事故が起きるということではなかったと思います。

組織のトップやマネジメント、上司はややもすれば、おいしい話、楽しい話、自慢できる話、うれしい話、など良い話に関心が向きます。聞きたがります。私の仕えた上司には、自分に都合の悪い話はいっさい聞かず、良い話に変えて持って来いという人もいました。この上司は極端ですが、悪い話、情報が流しづらい職場は、たくさんあると想像します。こういう職場は、まちがいなく職場の雰囲気、風土も悪いです。悪い情報を放置した結果、対策を取らずに惨事が必然として起きたり、後で悪事が露見して会社存続の危機にまで追い込まれることにもなります。今、窮地に追い込まれている、名門自動車メーカーも数々の事件につながる悪い情報を知っている人は間違いなくいたと思います。しかし、それが言い出せなかった雰囲気があったのだと思います。

会社のマネジメントの立場の人は、悪い情報優先で部下に報告するように指導しでください。良い話はあとでいいから、と言ってください。それがリスク管理をしっかり果たすマネジメントの重要な役割だと思います

それでは、チュース

195.ゆるい職場から、厳しく向き合える職場へ

いろいろな会社で、コンサルや研修をしていると会社ごとに違う人間関係の風土に出会います。良い悪いは別にして次の3つのタイプに分けられると思います。

A.冷たい関係:関わりの薄い冷えた関係、自分しか頼れることはできず、個々がばらばらに独立して個人の利益だけを考えて行動している。会社の目的を共有することはない。人間関係は全く期待しておらず、上にも面従腹背でつらぬき、仲間はライバルとしか思わないか、関心がない。IT関連、金融、証券、単独エンジニア、不動産売買、商社などの会社に多い

B.ゆるい、ぬるい関係:波風を立てない仲良しクラブ、個人的にはみな仲良し、仕事も遊びも一緒にする関係、仕事ではお互いに干渉しない相互不可侵条約を結んでいる。人間関係が何より大切で、尖った意見や行動はとらない。予定調和でものごとを進める。重厚長大のインフラ、基幹産業、長い伝統のあるメーカーなどに多い

C.厳しく向き合う関係:会社は仕事のプロ集団として割り切り、会社の目的を共有して成果を上げるためのベストをいつも考え、必要な時には人に対して向き合って厳しいことも言い合える。組織内には波風も立つが、組織目標、目的を共有しているので、ばらばらにはならない。社内でけんかもしばしば起こり、不安定な状態が常である。創業から日がたっていない若いリーダーが引っ張る新興の企業、常に変革、改革を起こして勝ち残る伝統的な会社に多い。総じて会社業績は伸びていて、元気がいい。

研修などで、みなさんの会社はどのタイプですかと聞くと、業種にもよりますが、平均ですと、Aが10%、Bが60%、Cが30%くらいです。実際は、BとCを行ったりきたりといのが現実です。私もB.が居心地がよく、社員にとって快適な場所でいいなと思いますが、会社の目的を考えて、成果を上げるために存在する、利益を追求する集団と捉えると、C.の部分もなければ変革、改革、環境変化に対応して勝ち残ることはできません。

会社の職場はB:Cが、4:6、3:7ぐらいが良いと私は思います。これは会社は何の目的であるのと考えれば、そうなると思います。もっともCが100%と主張する、マネジメント、社長もいます。それもわかります。私は、日本的にゆるさも好きなので、そのくらいでいいです。少し甘いかもしれませんが。

それでは、チュース