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368.ミッション、ビジョンは何故軽く扱われてしまうのか

会社のミッション、ビジョンは会社戦略の上位概念であり、会社戦略の基本になるものです。その流れは、会社の価値観・信条 ⇒ 理念・ミッション ⇒ビジョン  ⇒会社の中・長期戦略 ⇒ 部門の中・長期戦略 ⇒ 部門の短期・年度計画・戦術 ⇒ 実行 で表わされます。つまり日々の行動、年度計画・予算のもとになるものです。迷ったらそこに戻って考えるような本質的なコアのものでたいへん重要なものです。たいていの会社はミッション、ビジョンを形や呼び方は違ってもそれぞれ持っています。

しかし、それらは社長室、役員室、応接室、会議室の額縁か壁貼りポスターに納まっていることが多く、形式的なお飾りのまま放置されている会社がほとんどです。さすがに社長は良く理解し、体にしみ込んでいますが、役員、管理職になるとあることは知っていても、覚えている人は少なく、社員になると誰も知らないという状態になることがあります。言うまでもなく、ミッション=会社の存在意義、ビジョン=会社の将来の絵姿、またはあの山に登ろうという旗印という重要なものです。しかし階層を問わずほとんどの人は、日々の目の前の納期のある仕事に追われ、自部門、自分の数字の予算達成で精一杯でミッション、ビジョンを忘れがちです。忘れていても日々の仕事は忙しくできるのです。

私はその状態は短期的には良いのですが、中長期的にはとても危険だと思います。その状態が続くと、目先の利益だけに追われ、儲かれば何をしても良い、法すれすれでも、わからなければ法を破っても良いというような状況になります。会社があらぬ方向に向かい、忙しいだけで自分たちが何をしているのかわからない状態になってしまう可能性が高いのです。そうなったら手遅れです。会社は下り坂になりやがて破滅します。ミッション、ビジョンは会社の背骨であり、ありたい姿を描き、その道標です。それが明確にしっかりしていれば、一時期停滞はあっても、道をはずれることはなく最終的にはそこにたどり着くのです。

だからミッション、ビジョンはいつも目に見えるところに置き、体に染み込ませないといけないのです。見えるところに置くことに加えて、個人用に小さなカードにして社員全員に携帯させることも大切です。しかし携帯カードを総務が作ってもそのカード存在すら忘れてしまっている管理職、社員がたくさんいます。これはしつこいくらいに機会あるごとに上の階層の人が繰り返し伝えなければ、浸透していかないのです。私はなぜ、ミッション、ビジョンが軽く扱われるのかの理由、それはその価値、意味を知らない人がほとんどだからです。説明をされてないかもしれません。しかし最初は意味がよくわからなくて繰り返し読んでいれば、その意味、意図がだんだんわかってくるものでもあります。これは忍耐強くやればできることなのです。難しくはありません。そしてその成果は会社、社員にとって大きなものになって戻ってきます。強い会社、伸びている会社、成果を出している会社は、ミッション、ビジョンが社内全体に定着、浸透しています。

それでは、チュース!!

55.ビジョン・長期戦略の作成 事例

ビジョンが何故必要かは No.32  Date 2015.4.2  であげました。夢のあるビジョン、イメージできる絵があると若くてヤル気のある人たちはワクワク感が持て、こんな会社になりたい、こんな自分になりたいという絵姿が持てます。これは社員のモチベーションアップにつながり結果として会社の業績も上昇します。ビジョン作成はコンサル会社やシンクタンクに依頼すれば簡単なインタビューと必要項目のワークシートを埋めるだけで短時間に作ってくれます。でもそれでは社長室にきれいな額がまたひとつ増えるだけかもしれません。その会社独自の社員の想いの入いったビジョン、手作りで少しごつごつした肌触り感のあるビジョンを会社全体で作ることをお勧めします。私のビジョン(10年後)・長期戦略作成のワークショップのステップは次の通りです。

1・自社のヒストリー分析

①自社の歴史の整理

・業績の推移過去:売上、利益率、従業員数

・主要な出来事:新規事業、新規技術、新商品、サービス、重要な受注

・主要な顧客:重要な市場や顧客の変遷

・社会の動き:自社に影響を与えた国内外の出来事

②自社のターニングポイント、その理由、進化の歴史をレビューする。

③現在まで、将来に向けての成長要因の仮説を立てる。

現在・将来にわたっての強みになりうる

コア技術、コアサービス、ビジネスモデル、克服すべき弱み等

④自社の現在の・Who(顧客)・What(価値)・How(技術・サービス)

2.外部環境分析

①未来情報から社会ニーズ分析の説明

②未来情報からの自社の社会ニーズ分析、10年後の自社の既存・潜在顧客、自社に影響を与える社会ニーズを予測する。

3.自社ビジョン・戦略の作成

①自社の既存ミッション・ビジョンのレビュー

②ドメインマトリックス(下図)の作成  現在と10年後

・現在、10年後の強み分析

・現在、10年後の事業の Who/What/How を予測する

・現在、10年後の事業を 支えているものを予測する

④10年後ビジョン・戦略の作成

・事業ビジョン・戦略

・経営構造ビジョン・戦略

・人財ビジョン・戦略

・企業風土ビジョン・戦略

4.このワークショップの成果、効果

① 自社の強みの再認識ができ、それを将来の環境変化にどう適合していくかの真剣な議論が生まれる。各分野の課題も明確になる。

②自社の過去~現在までの会社の歴史、ターニングポイント、癖などが認識でき、その延長での未来を考えることができる。

③想いのある有志社員でのビジョン作成により、会社の一体感ができ、その後の実行もスムーズに進む。

④会社にもともとある方針、戦略とあらたに作ったものはかなり近いことがわかり、今の会社の方針、戦略の腹落ち度もあがる。

⑤自社への自信、誇りが増す。

このワークショップは、ビジネスモデルのライフサイクルがピークになるか、少し下降線、またマンネリ感が出ている、日々の仕事でいっぱいで先のことは考えられない などの会社で行うことが多いです。忙しい中実践すると、自社、自分たちの可能性について再認識でき、また自信を持って前に向かって行動しようという空気が生まれます。

それでは チュース

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32.なぜ 「ビジョン」が必要なのか

ビジョン=ありたい姿、ビジョンはビジュアライズからきていますから、目をつむった時に瞼に浮かぶイメージ、映像です。文章にする必要はありません。会社でも、個人でもなぜビジョンがあったほうが良いのでしょうか。ビジョンがあってもなくても日々の仕事は忙しくやってきて、それに一生懸命になることに変わりはありません。私はビジョンはぶれない背骨を作ってくれると思います。その背骨は理念や価値観という言葉かもしれません。意識的、ポジティブに前を見てそこに向かう姿勢、行動が生まれます。もしビジョンがないとそのうちに、あらぬ方向に行ってしまうかもしれません。(下図参照)

ビジョンの話はベテランの一線現場の部長からは評判がよくありません。ビジョンで飯が食えるかと反発されます。しかし若い人この会社でこれから20年、30年働こうとする人は真剣になってくれます。この戦いはいつも起こりますが、若い人たちにワクワク感を持って仕事をしてもらうにはビジョンは必須です。個人でもなりたい自分のイメージを具体的に持って、その絵、写真を部屋にかけるとその実現の可能性は確実に高くなると言われています。理念、ミッション、社是の額縁は、たいていの会社で見ますが、イメージや絵が掛けられているのはあまり見ません。これをみんなで自分たちで作ってみたらどうでしょう。会社がもっと楽しくなります。

それでは チュース

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6.旭山動物園の不思議

旭川市の市営である、旭山動物園 廃園危機からの奇跡のリカバリーとして一躍有名になりました。1996年には入園者26万人が2007年には307万人、動物の種類は152⇒138に減っているのに、入園者は12倍です。旭川空港には海外からのチャーター便がぞくぞく到着、外国人もたくさん来ています。この様子は、雑誌、書籍、TVでも盛んに取り上げられ、マーティングの成功例にもなっています。私も実際に現地にも行き、自分の戦略セミナーの事例にも使わせてもらっています。その成功理由として

1.「ペンギンは鳥である」⇒(水の中での姿)という視点、パラダイム変換があり、動物本来の素晴らしさを追求した「行動展示」を実行した。あらざしが 円筒水槽を 楽しく素早く泳いだり、白くまのダイビング、オランウータンの空中散歩。

2.「14枚のスケッチ」をスタッフ自らが描き、「旗」立てた。ビジョンの有効性

3.動物のすごさを 飼育員が自ら来園者の前で、ハンドマイクで話したり、手作りの説明パネルを作る。従業員の意識改革

4.円山動物園のミニチュアでは客は来ない。旭山らしさの追求 差別化

等々です。しかしこの戦略実行の背景には、実際には市長が変わった時、廃園か再生かの決断時に市長が再生に舵を切り、改革実行予算がついたことが大きかったと推測します。このタイミングが勝負と動いた園長の判断力、行動力はすごいと思います。その後、自分はあまり表に出ず、トップダウンではなく、現場からのボトムアップ中心で改革が推進されるストーリー、物語を仕組、実際に動物園全員一丸となって実行したのだと思います。この園長は部下の力を引き出す真のリーダシップを発揮された人だと思います。しかし私にはどうしてもわからないところが2つあります。

1つ目は、改革していったスタッフは、市役所に就職した普通の職員です。元から動物好きの人ではなくたまたま大赤字の市営動物園に配属されたのです。私の常識では、お役所の公務員は、規定の時間内そこにいれば、自動的に給料が出る。できるだけ大過なくすごせれば良いと思っている人たちが多い。もし動物園が閉鎖されても別の、ひょっとしたらもっと楽な職場が待っているかもしれないのに本当に頑張った。結果として従業員の意識改革、現場力が成功要因となっていますが、危機感を普通持たない、公務員の集団が変革していく真のきっかけは何だったのか。これが不明です。

2つ目は最大の要因である、ビジョンの有効性 つまり「旗」を描いたのは1990年頃、実際に改革が始まったのは、予算がついたそれから4~5年後です。その間は何も起きていません。逆にじり貧状態が加速している時です。その間に旗に描いた夢が思い通りに実現できないことや、予算がつかない運の悪さで、やる気がなくなっていくことはなかったのでしょうか。どうやってモチベーションの維持をしていったのでしょう。これは、どの本にも書いていません。実際に改革を実行した人に会って聞くしかないことであります。これがわかればすごいことです。 不完全なもやもや感ありの終わり方ですみません。

それでは チュース。