カテゴリー別アーカイブ: 戦略

588、毎年毎年同じ課題は、なぜ実行されないの

いま、どこの会社でも来年度の予算、計画が作られ、マネジメントから承認される時期です。数字の予算は、どこの会社も部門も必死になって実現可能な数字を、関係者がせめぎ合って決めていき、本気で気合をいれて実行します。しかし、毎年課題、テーマとしてはあげながら、実行もされず、できても褒められもせず、できなくても叱られもせずというテーマが、どこの会社にもあります。「業務改革の推進」「活性化した働きやすい職場の実現」「人財育成、キャリアビジョン作成」「風通しの良い、上下、部門間に壁のない風土つくり」「ボトムアップによる自律型組織の実現」「社内コミュニケーションの良化」なんとなく、そうなったらいいなという想いの集合であり、桃源郷でもあり、耳障りの良い定番の業務課題です。

しかし、ほとんど手つかずのまま期末を迎え、結果として頑張りました、良い方向に向かっていますという玉虫色でシャンシャンと終わります。その理由はかんたんで、やらなくても誰も困っていません。やっても評価されないし、やらなくても叱られないのです。業務達成数字とは異次元のものです。定性的な目標で、KPIはほとんど設定されていません。最後は、どれだけ頑張ったかだけが評価になり、それは評価者の好き嫌い、匙加減で終わってしまうことが多いのです。しかし、社員、管理職も業務目標設定表の枠には課題をたくさん書いたほうが、頑張っている感は強いし、重要課題にチャレンジしている感もその人の満足感につながります。

それら課題の達成できない原因を、部下の責任する上司は多いですが、その原因は上司です。優先順位の高い数値目標以外は、実は上司のヤル気がないのです。部下をそれを察知して、評価される課題に注力しているのです。形だけの課題は無視しているのです。

私はそれでいいと思うのですが、それなら、期ごとの課題に毎年やらない課題は削除すべきです。みせかけ、たてまえはやめましょう。そのほうが、すっきりします。ただ、毎年上げる課題は、中長期的にみたら大事な課題ばかりです。ただ単年度では不要です。そこは、マネジメント、上司の期間に関する考え方です。短期だけでよいなら、それらは不要です。しかし中長期で会社への貢献を考えたら、きちんとやるべき、やらせるべきです。そこは、マネジメントの価値観そのものです。

それでは、チュース!!

587.わくわく、どきどき職場が、目的の管理職は間違っている。

私が、昔代表を一時期していた、「職場風土改革」専門のコンサルタント会社は、オーナーの「なぜ会社は変わらないか」の本が爆発的に売れ、一時、受注が殺到しました。簡単に言うと、職場風土が良くなれば、良い戦略、戦術が生まれ、職場の関係性もいいから、その実行の円滑に進み、見違えるようによくなるというストーリーでその絵姿に憧れて、多くの会社がやってきました。その本は創作であること筆者から聞きました。私は、後半の部分の職場風土が良くなれば、本音が担保され、浸透、定着、実行がうまく機能しやすく、業績が上がるというところはある面、そのとおりだと思います。しかし、職場風土と戦略、戦術の作成は関係が薄いと思います。そこは全く違う、能力、スキルです。先を見る目と自社の実力、そして実行組織の準備と、人財の採用育成です。

マネジメント研修をしていて、自分がどんな職場を作りたいかというと、管理職の半数以上の人が、社員がわくわく、どきどきして、楽しく仕事ができる職場を作りたいと答えてきます。その結果、どんな良いことが会社に起こりますか。わくわく、どきどきがないと、どんな不都合が会社に起こりますかと質問すると、多くの人は、えーっという顔をするか、他に何か必要なんですかと逆質問されます。職場、会社の目的は業績、収益を上げることです。そのためには硬直した、風通しの悪い、情報が伝わらない、本音が言えない職場より、自由で、風通し良く、情報伝達が円滑で、皆が事実に基づいて活発に議論できるほうが、確実に収益はあがり、結果を出せます。そのための職場風土の活性化なのですが、最近その上位目標を忘れて、部下や、メンバーが気持ちよく仕事さえできればいい、結果はそうでもいいと考える人たちが急増しているのは、なんとも不安で、このままでは、会社は弱くなり、しいては日本の国力まで落ちてしまうのではと危惧しています。

元いた、風土改革の会社は、オーナー始め完全に左寄りで、社員、従業員だけ幸せになれば良いという考えで、私の会社業績うんぬんの話をすると、みんなから「住永さんて、資本主義的」と批難されました。それが早くその会社を辞める一つの理由でした。職場風土だけよくなっても絶対に会社は生き残れません。実際に職場環境はよくなっても、次のビジネスが見つからずに倒産していった会社をいくつか見ています。

最近のパワハラ怖さで、管理職は部下に対して、および腰、弱腰になっているのは事実です。しかし、わくわく、どきどきが、仕事の最終目的は、間違っています。それを踏まえて、会社の業績を上げていかないと、従業員を守れません。やはり、厳しく部下に接することや、時には部下と対立することも必要です。会社が生き残って、勝ち残っていくのは、これからの世の中で本当にたいへんです。勝ち残るには、どうしたらよいか、部下、チームと一緒に考え、実行していってください。やることは、いきいき・どきどき職場だけでは、ないはずです。

それでは、チュース!!

581.富士フイルムHDの米ゼロックスの買収破談は、両社に良い結果

ざっと富士ゼロックスをめぐる、両社の経緯をおさらいしますと、①富士ゼロックス創業(1962)富士フイルム50%:英ゼロックス50%の持ち分 ②2001年米ゼロックスのは1980年~1990年代の経営不振により、富士ゼロックス株式25%を富士フイルムへの売却、富士ゼロックスは富士フイルムの子会社に、富士フイルム:米ゼロックス75:25 ③但しその後も富士ゼロックス出身の経営者によるガバナンス継続、富士フイルムの銀塩感材消失に売上、利益を補完する ④富士ゼロックスNZ経営陣の不祥事(2017年)により、富士フイルムHDが富士ゼロックスのガバナンスを取る ⑤2018年1月、富士フイルムHD、米ゼロックスの買収発表、7月までにクロージング富士ゼロックスは、米ゼロックスの100%子会社になる、富士ゼロックスの1万人リストラ発表 ⑥モノ言う、米ゼロックスの株主、買収契約無効を米裁判所に提訴、一審は株主勝訴二審は富士フイルムHD勝訴、米ゼロックスは株主に1株40$の配当を富士フイルムに要求、富士フイルム拒否 ⑦2019年12月 買収破談と富士フイルムHDは、米ゼロックスから富士ゼロックスの残り株25%を買収、100%子会社とする。

2018年1月の買収発表の時は、ペーパーレス時代を迎えている複写機事業にとって、米ゼロックス・富士ゼロックス統合による経営効率化と新規事業の創出は、論理的には正解です。それしかなかったと思います。しかし、米国有数の老舗伝統企業がアジアの国の軍門に下るのは、ビジネス論理以上に心理的抵抗が強かったと思います。会社は株主のものが明白なアメリカでは、金さえ入ればいいという考えが、経営者も株主にもありますから、先の米ゼロックス経営者は、事業が低迷するなかで、富士フイルムに買収される選択をして、自分たちも高価な報酬を得て経営から退き、それなりの配当を株主すればよいとの選択をしたのだと思います。表向きには米ゼロックスの買収案での評価が不当に低いということで株主は買収異議を唱えたのですが、日本の会社の下に入るのは嫌だ、白人は黄色人種より階層が上という意識を感じます。

結果として、富士フイルムは完全に富士ゼロックスを自分の支配下に置き、富士フイルムとのシナジーを完全にフリーハンドで行うことができます。欧米の企業にお伺いをたててからでないと意思決定できない仕組みは時間ばかりかかってワークしません。富士ゼロックスは富士フイルムに比べたら優しい会社ですから、富士フイルム流の厳しい管理をしていけば、リストラは容易にできました。そこでの構造改革は終了しています。米ゼロックスとの販売テリトリーの棲み分けも排除されますから、世界中自由に売れるようになります。かなり良いディールだったと思います。

一方の米ゼロックスは、富士ゼロックス株売却の2500億円が手元に入りましたから、このお金で経営者と株主は一時的ですが潤うでしょう。欧米の会社は長期的視点に欠けるところもありますから、それでいいのです。先日米ゼロックスが仕掛けた、3兆3千億円でのHPの買収案は、常識的には荒唐無稽です。今や格はHPのほうが上ですから、提案は一蹴されましたが、HP経営陣より、統合案には興味がある、HPが米ゼロックス買収の検討を始めたようです。その時は米ゼロックス経営者の協力が必要と言っています。これは、HPが米ゼロックスを買収時は、米ゼロックスの経営者は降りてください、お金払いますからというように聞こえてきます。どうも最初から両社の出来レースのようにも思ってしまいます。日本の会社に買収されるより、米国の会社のほうがいいと思っているのでしょう。

私は30年前に、米国Dupontと富士フイルムで英国の会社を買収して共同経営した経緯に関わってきました。プライドの高さは、英>米>日でした。英国の会社は、買収されたのにパートナーが変わっただけと居直って全く指示を聞きません。幹部に文句を言うと高額の退職金をもってすぐにやめていきます。実はそこが最初から彼らの狙いだったのです。欧米人の価値観、文化、会社への意識は日本人とかなり違います。そこがベースで議論が始まりますから、結論が合うわけがありません。結局Dupontも経営から降りて、富士単独で英国の会社の経営を行いましたが、うまくいかず10年ほどでその会社はMBOしました。その会社は現地人だけでそれなりにうまくやっています。欧米企業との連携、M&Aはもはや避けて通れないものですが、その根っこが違うことは十分に認識しないとだめです。日本人の性善説、話せばわかるは足元を見られるだけです。

それでは、チュース!!

539.元気な商店街で、衰退していくお店

私の住んでいる地域の私鉄沿線の商店街は、昔の勢いを取り戻してとても元気で勢いがあります。映画館もシニアでいつも満員、魚屋、八百屋、肉屋、総菜屋、喫茶店、お菓子屋飲食店は地元の人たちが先代より引き継いてきたもので昭和の香りが残り懐かしく、テレビの街番組、ぶらり番組でもしばしば取り上げられ、近隣、遠方からの訪問客がたくさん来ます。チェーン店のハンバーグ、コーヒー店も街にうまく溶け合っています。しかし、その中にほとんどお客が入らず閑散としているお店がいくつかあります。

そのひとつが時計屋さん、難しそうなシニアの男性が奥に座っていて、ただでさえ入りにくいのに、陳列してある掛け時計、腕時計もレトロではないのにレトロな感じがして敷居は高くなります。私は腕時計が好きでたくさん持っているのですが、電池切れが起きて何年かに一度は止まった時計の電池交換をまとめてしています。電池交換料金は、量販店やスーパーなら国産で700円くらい、海外品で1500円くらいです。たまには地元でと思い、その時計屋さんに入り電池交換をお願いしました。料金を訪ねると、お安くしておきますと言って答えません。ちょっと嫌な感じはしましたが、他より若干高いくらいならいいかとお願いしました。小一時間してから交換依頼した5個の時計を取りに行くと、国産が1620円、海外品は2700円でした。合計10260円、予想の倍の値段で、えーっと思いましたが、専門店で技術料がかる、古い時計で交換したり、時間合わせがたいへんだったと主人の言い分けが始まりました。たぶん主人も他に比べて割高なことは承知の上なのです。電池交換に技術料がかかるのかな、古い時計でも、あなたプロなんでしょうとか内心思いながら、ぐっとこらえてその料金を支払いました。最初の時に料金確認をしつこくしなかった私のミスでもあります。

もちろん、2度と行くまいと思いましたが、たぶんそう思ってしまうお客がほとんどでしょう。でもそれは、時計屋さんのご主人の問題ではないのです。他の繁盛しているお店は、みな個性的で、店独自のオリジナルな差別化が計れるのですが、既成品の販売、誰でもできる電池交換では、みな量販店、スーパー、通販に行ってしまうのです。ですから、そのご主人はたまに来る客に高いものを売らざるを得ないのです。たぶんもうしばらくしたら、そのお店もご主人の年令とともに閉店でしょう。それが自然の成り行きです。

しかしその近くの電気屋さんは代替わりしてもやっています。電気製品は既製品でも、設置、修理、点検があるので、固定客、お得意さんが長く続くのです。特に高齢者の世帯には馴染みの電気屋さんは、いざという時に頼りになります。メガネ屋さんも、顧客にあったデザイン、カスタマイズで差別化できるので健在です。文房具屋さん、化粧品屋さんは厳しいです。以前会った、本屋、レコード・CD屋、薬局、DPE屋さんはとうになくなっています。

商店街の商店が生き残れるかどうかは、既成品に対して店独自の差別化ができるかどうかです。それはご主人に努力ではどうにもならないことかもしれません。

それでは、チュース!!

535.ビジネスはどこに流れがあるかの見極めがやはり一番大事

経営者の一番の仕事は、「どこに魚群があって網を張るか」と言われています。未来の流れは自分で作れ、と言うクリエイティブな経営者もいますが、ほとんどは環境が流れを決めます。明治時代に日本のトップ100社のメーカーのうち60社が繊維産業でした。繊維で今100社に入るのは東レだけです。その繊維も主力は炭素繊維です。この30年で飛躍した産業は、ソフトバンクなどの携帯関連の通信、IT関連、楽天、アマゾンなどの電子取引、セブンイレブンなどのコンビニ、ヤマト運輸などの宅配業です。もちろんその勢いの中で衰退していく産業もたくさんあります。まさに栄枯盛衰です。

私の生業の研修講師、コンサル、コーチングのクライアントにもそれは、はっきりでています。伝統的な重厚長大産業の復活、企業変革・改革もありますが。流れに乗った勢いのある会社から、社内組織改革、人材育成の依頼があります。ビジネスの業績成長に比べてややそれらが遅れを取っている会社からの依頼が大半を占めます。

今一番勢いのある業界は、国家予算に1/3が当てられる、医療・福祉関連であること間違いありません。大元の製薬業界はもちろんですが、実はその周辺産業も活況で人手が足りません。あるお客さんは病院給食、老人ホーム給食のビジネスですが、それら施設は日々増加中であり、営業をしなくてもお客のほうから依頼がどんどん来るそうです。そうなると問題は人の手当です。それほどの技術革新は必要ないですが、災害時の給食緊急対応力が決定的な強みになっているそうです。それから、他では高速道路の維持、管理をしている会社もほぼ独占状況に加えて、2011年の東日本大地震で高速道路のプレゼンスは格段に高まり、JR同等の最重要な社会インフラとして認められてきています。また2012年の笹子トンネル天井板落下事故以来、高速道路、トンネル、橋梁の維持、メンテナンスの重要性が国民に深く認識されました。それまで躊躇していた維持管理工事による高速道路閉鎖も格段にやりやすくなりました。法律施行、行政指導も一斉に始まり、今は国からの仕事であふれ、やりたくても人手がなくてできない状態です。コンビニがお客さんの食品関連会社のお客さんも好調です。都心の賃貸マンション専門の会社も業績大幅に伸びています。ふとお客さんを見ると、業績好調、利益の出ているところが多いなと改めて思います。業績が良いから利益のあるうちの教育、人材育成に投資しようということになるのかもしれません。

教育、人材育成、コーチングを受けた方が、マネジメントに提言、または自分がマネジメントになって、将来の魚影を探して、そこに網を張る準備と実行を行い、次の世代のビジネスを創造して欲しいと心から思います。あのトヨタも昔は自動織機の会社だったのです。そこの利益をドーンと来るべく成長ビジネス、自動車に投資してここまで来たのですから、未来の大会社はどこがくるのか全くわかりません。優れた少数の先を見る天才が会社には必要です。

それでは、チュース!!

500.振り出しに戻ったゼロックス買収の勝者と敗者は?

富士フイルムHDFF)は去年1月、所有する富士ゼロックス(FX)の株のFXへの売却資金で米ゼロックス(XC)の50.1%を保有して子会社化する買収計画を発表しました。当時の古森会長は業界のゲームチェンジとその将来を熱く語っていました。しかし物言う株主の登場で、経営陣は買収反対派に交代し、一度合意した買収を破棄しました。XC買収案合意は元の経営陣の株主への背任行為と物言う株主は提訴、1審は勝訴しましたが、2審はFF側の勝訴になりました。昨年12FF古森会長は、買収計画の一方的破棄は契約違反とXCを相手に1100億円の損害賠償で迫っていましたが進展は見られず、とうとう当初の買収合意内容を変えるつもりはない、買収は難しくなったと発表、事実上の買収案の取り下げとなりました。

一方でFFトップはXCトップと11月に技術、生産協力、販売権の住み分けなど買収案発表前の関係に戻すことで合意しました。大山鳴動して・・の感もありますが、元の形に戻ったのです。

ではこの一連の中で、勝者と敗者は誰だったのか、敗者はXCでしょう。株価は1年前より40%の下落、FFから良い条件を引き出して、将来ビジョンをFFに任せて経営陣は退出、株も高値で売り逃げという思惑がはずれ、混沌とした状態が続いています。次の敗者はリストラされたFXの社員たちです。FF古森会長が言われるようにFXの構造改革は進み、リストラは完遂されました。FFからの構造改革の推進に嫌気がさして自主退職する幹部、管理職社員も多数出ているようで、旧知のFXの友人からは嘆き節が聞かれます。しかしそれはFFからしたら想定内で、振るわなくなったFFのメイン事業で余剰になった管理職の新たな仕事の引受先になっています。FXではFFによる緑化運動と言っているそうです。そうすると短期的にみれば勝者はFFだということになります。なんの損失もなく、ビジネス形態は従来のまま、FXの構造改革は実行でき、FXの要職をFF経験者で占めることになり、FXの一層のFF化を進めることができました。

しかし長期的に見ると勝者はいるのでしょうか、1年前の買収発表時に、古森会長が言われた、XC,FXの重複機能の合理化による組織の活性化、世界最大の事務機器企業として、将来に向けた、複写機以外の新事業、ビジネスの両社による共創、創出、創造の可能性はほとんどなくなりました。そしてそれは、FFの主力事業であるFXビジネスの縮小均衡、消失のモードに入ってしまいます。もちろん優秀なFF,XC双方のトップが出した結論出すから、正しいと思いますが、視点をあげて、長期的に見るとなんとかならなかったのかなと外野席からは見えてしまいます。

それでは、チュース!!

 

475.ジャパネットたかた の高田元社長はなにがすごいのか

高田明氏はあの高い声でテレビ通販市場で一時代を築きました。去年一線をしりぞき、今はJリーグのファンファーレ長崎の社長になり会社再建や地方再生で、ビジネスを通して日本を元気にしている人気者です。今、テレビ通販の会社はたくさんあります。健康食品、サプリメント、化粧品、医薬品、ジュエリー、アパレル、カラオケ、電気製品などすべての商品を扱っています。一番多いパターンは社長が出てきて、番組MCと商品説明、昔見たことのある芸能人、タレントが一緒に出てきて説明にうなずき、高いはずの価格が思いのほか安くて、一同驚きの声を上げるというのが定型パターンです。何か商品が安っぽく、社長、出演者、シナリオはうそっぽい感じがしますが、ずっと続いているのはかなりの購入者がいるはずです。

しかしジャパネットは、私は自分から見に行っていました。面白いのです。高田社長の商品説明はひとつの芸になっていて見入ってしまいます。モノを売るのはこういうことだとわかります。彼が引退したあとは後を継いだ社員がその伝統芸、技術の継承をして一生懸命やっています。しかし高田社長の芸域には遠いし、同じことをやってもだめだと思います。自分のやり方を作らなくてはだめなのです。ジャパネットは他社と何が違うのか、それは本社が大都市ではなく佐世保でそこからの地方発信、社員も全員九州出身者、MCや共演者に芸能人は使いません。有名人の威光や東京のメディア、既存のブランドに頼らず全部、高田社長はじめ社員のオリジナルの発想、着想、実行、実演でその真摯さ、まじめさが良いのだと思います。扱っている商品は品質が保証されたメーカー品、ブランド品がほとんどで、それを大量販売することで圧倒的な低コストを実現、ビジネスにしました。ジャパネットに卸しているメーカーの知人は、宣伝費込みの超激安価格と言っていました。また電話販売が主なのでオペレータと会話ができ質問ができるので、そこが受ける中高年にターゲットを絞っています。パソコン、スマホでの通販ができない層です。

先日のテレビで高田社長は、テレビ通販もサッカーも関わる人、見る人に感動を与えることは共通という哲学的なことを言っていました。たしかに他の通販のいやらしさはなく誠実さは感じます。彼の生き方として大事なことは、情熱を持つこと、常に人を感じ同じ目線になること、変化を常に楽しむこと、人に夢を与えること、ポジティブに生きること、過去は振り返らず自分で変えられることで今に集中すること、1日1生とも言っていました。素晴らしい内容ですが、どれもどこかの本には書いてあるし、会社、組織のリーダーがよく口にしていることです。目新しいことではないのです。しかし高田社長が口にするとなぜかリアリティがあって説得力があるのは、彼が実際にそれを実行して成功しているからです。しかも奢った雰囲気はなく謙虚に見えるのも好感です。もっと威張っていいのにどや顔や俺様はグレート感がないのです。それが地なのか演じているのかはわかりませんが、見る側が好感度を持つのは確かです。何か人を引き込む、天性のひとたらしの人です。同じ戦略を取り、高田社長のキャラを演じれば業績が上げられるかというと、人まねではだめでしょう。やはり人のやり方は参考にはなりますが、自分自身のオリジナルを加えないと成功はしないでしょう。ビジネスはなかなか難しいです。

それでは、チュース!!