カテゴリー別アーカイブ: 危機感

394.社会が全くワークしなくなってしまいました。

いま、日本、いや世界は戦後最大の危機です。今までの社会が前提としていた、生理的・安心安全の生物として基本的な欲求が満たされなくなる状態が目前に迫ってきています。私たちの社会、会社、組織が今まであたりまえと思っていた前提があります。それは、戦争はなく、大地震、自然の大風水害はなく、それに生命脅かす伝染病の蔓延などは起きないというものです。日本は自然災害はたびたび、地域的に被害を受けていますが、日本全体で見えざる新型コロナとの戦争は初めてです。私の人生でも初めてです。

私のブログのテーマ「ワークしてますか」はそれらの前提の上で、どうしたら、組織、人が今より上手にやっていけるか、もっといいやり方があるよねということをずっと書いてきました。しかしその前提がないところでは、このコロナが終息するまでは、何を書いてもリアリティのない話になってしまいます。

この危機の中で感じたことは、世の中何があるかわからない、一寸先は闇は、諺だけではなく実感したこと、そしてこのような災害、不幸はこれからも必ず起き続けるということです。過去に振り返って、平穏な日々を懐かしがっていてもしょうがないのです。それでは、何が必要か、やはり、会社も個人もリスク管理です。将来のリスク予想で、リスクが低められればよいのですが、大地震や風雨害、コロナ危機は防ぐことはできません。そうなると起きた時にどうするかの準備をできるだけしておくことです。グローバルチェーンの崩壊が起きていますが、その前提はどこの国とも友好的に通商でき、物流もスムーズに効率的に流れ続けるということがあたりまえでした。そこには余裕がありません。すべてがうまく行く前提です。私が大きな会社にいた時に、もっと余裕を見て計画作りましょうと言うと、それは無駄なだけだと厳しく叱られました。日本は余裕は無駄と捉えられることがほとんどです。東電の福島第一原発事故も高い堤防は無駄と判断されました。このコロナの後で、世の中、社会の考え方は変わると思います。

会社ではなく、個人も危機に遭遇した時は余裕があるかないかが、幸不幸の境目です。国や自治体に過度の期待をしても今のテレビの報道を見ても難しいことです。個人として生き残るには余裕です。自営業、特に飲食業、ミュージシャン、ダンサー、などなどは日銭が入らなくなったら、そのままドボンしてしまうひとが大半です。その点、官公庁、大企業は日頃は我慢も多いでしょうが、危機的な状況ではしばらくは金銭身分保証してくれます。たぶんリスク管理して職業を選んだことの良い面が出ています。やはり自営業でも仕事がなくなってもしばらく家族を守れる金銭的余裕は大事でしょう。そして状況に影響されて凹みすぎはいけません。なんとなるという精神的なタフさは危機的な状況で一番大事です。心を強くしておかないといけません。あとはタフな体です。コロナが来てもはね返すだけの体力です。これらは、準備が必要です。いきなりは無理です。お金と心と体の余裕です。心配性すぎるのはいけませんが、ある程度のリスクに対する準備がこれから、ますます重要になってくるでしょう。もちろん感染予防の3密を避けるのはいまできるマストのリスク管理です。

それでは、チュース!!

458.仕事を覚えた5~8年目の優秀社員が退職する理由

最近は入社3年以内に辞めてしまう新卒が、業種によっては3~5割と言われています。理由は、いわゆる、①ブラック企業で休暇取れない、残業代払われない、サービス残業もあたりまえ、パワハラがまかり通ってる。②上司、同僚との人間関係、パワハラ・いじめ、ほっておかれる、お局さんからいじめられる ③単純繰り返し作業で、自分成長感がない、キャリアにならない が理由のトップ3です。

しかし最近気になるのは、その時代は通過した5~8年目の仕事を覚えて、さあこれからリーダーになって欲しいという人材が優秀な順に辞めていくケースが増えているのです。それも突然きます。理由は他の会社が決まったからという理由が一番で、退職願いを受けた上司も自分の責任になるので、それ以上は何も聞かずにそのまま人事部に報告、人事部が理由を聞く前にさっさといなくなってしまうのです。本当にこのケースが増えています。その理由は新人が辞める理由ほど単純ではありません。

いくつかのケースを聞いてみると、本人は入社前に会社説明を受けて、その会社の将来性を信じて入社してきました。入社前の会社案内には素晴らしい夢が描かれており採用担当の人事スタッフも魅力的な若手を揃えています。しかし希望に満ちて入社して職場に配属されると、すぐにこれは違うなと感じますが、真面目な若手たちですから石の上にも3年で、とりあえずは与えられる大量の仕事で時間は埋まりますから我慢します。しかし30才前になってふと冷静に考えた時に果たしてこの会社で働いて自分の将来はあるかと考えます。まわりを見ても魅力的ないきいきした先輩、管理職は少なく、なんか疲れている人が多く、ああなりたいという先輩はいません。多くの会社は5年~10年後の中期計画はありますが、それは数字だけで、リアルにイメージできるビジョンはないところがほとんどです。役員室に飾ってある額に書かれたビジョンを見ても、意味不明で心は躍りません。最近の若手は学校の教育もあり自分のキャリアを明確に描いている人が多くいます。会社の言う通り一生懸命働いても裏切られることはなんとなくは知っています。

ですから、その頃に自分のキャリアプランと会社のビジョンが重ならないことに気づき始めるのです。自分自身の危機感を感じるのです。それはしばらく会社にいないとわからないことです。そのギャップを解決するために深く相談できる、先輩、上司もまわりにいません。ひとりで考えるしかないのです。そこで他社からの美味しい転職の話、自分のキャリアが活かせる、伸ばせる話があれば飛びついていくのです。もちろん転職したら事情が変わるリスクも承知の上です。とりあえず今の会社は嫌なのです。信用、信頼できない会社になってしまっているのです。

私は、これが仕事を覚えた中堅になる優秀な社員が辞めていく一番の理由だと思います。その背景にはそのような若手とキャリア、仕事について真剣に深く話せる職場の先輩、上司がいないこともあります。退職通知をされた上の方は、その兆候も察知せず、辞める理由もわからず、理由がわかると自分の責任にもなるので、そっと見過ごしていくのです。なかなか深刻な状況です。最近の若者はというのは常套語ですが、最近の上司、先輩はとも思っていしまいます。もっと部下、後輩との対話、会話を増やしてください。早めに気づけば対応は取れます。そこは若者も人間ですから論理だけでなく情でも動きます。

それでは、チュース!!

443.必ずお客が来るビジネスは緊張感がなくなる

ドラッカー先生が言うように、マーケティングで一番大事なのは顧客の創造とイノベーション(顧客のニーズ満足させる)です。お客ができたら、今度はいかにお客の満足を維持、向上させるかです。しかしながら一度安定関係ができると緊張感がなくなり自分の身内の理屈、楽な方向に向いてしまいます。親方日の丸は言うまでもあまりりませんが、いろいろなところで緊張感のないビジネスに遭遇します。
先週の休日、中央道の甲府の先の大きなレストハウスで早い夕食を取っていました。100人以上は入る広いスペースには、その日は年配の夫婦だけ、私はそのあと1人で入り、続いて男性客が入ってきました。私は角煮ラーメンをレジで頼んでカードをホール係に渡しました。急いでもいなかったので、ぼんやり待っていました。気がつくと後から来たお客の料理はサーブされ食べて帰っていきました。既に20分が経っていました。ホール係3人の男女は横を何回も通ります。ついに「まだですか?」と若い高校生バイトに聞くと、「ちょっと待ってください」と答えて戻ってくると「ドリンクバーをどうぞ」、「いやいや、なんで遅れているの?」と聞くと、少し年配の女性がやってきて同じことを繰り返します。どうもうるさいクレーマーと見られたらしいです。たぶん何かの伝達ミスなんだろうとは思いました。遅れてすみません、の一言があれば良かったのですが、いきなり「ドリンクバーをどうぞ」にカチンときました。そのあとすぐに角煮ラーメンは出来上がりもってきたので、食べましたが、なにかモヤっとした気分でおいしくはなかったです。食べている最中に、ホール責任者という男性が現れ、丁寧に事情を説明しました。ホール担当が注文を受け、システム通りにカードを置いたのですが、そのシステムがうまく作動せず調理場に注文が届かず遅れてしまい申し訳ない、とのことでした。これ以上こちらも荒立てるつもりはなかったのですが、一言いいました。「システムの責任にしてますが、お客が一人だけで20分もサーブされずに待っていて、ホール係が3人もいるのに、これはおかしいなと感じないのですか?」と、ホール責任者は黙ってしまいました。
こんなことは良くあるし、高速道路のレストハウスの食事・サービスに高い品質を求めるつもりは全くありませんが、どこにこの問題の原因はあるのか考えてみました。ホール、調理場、レジもマニュアル通りに動いています。しかしシステムがうまくワークしてない時に、それがおかしいという感覚がないのです。お客に迷惑をかけるという緊張感がないのです。システムはきちんと動くものと信じています。しかしシステムは問題を起こすが普通です。気の利いたホール係が一人いて異常に気づけば良かったのですが、それもいなかったのだと思います。ホール責任者を含めてなぜそうなってしまうのか。私は高速道路のレストハウスには競合がなく、高速利用者は必ずある割合で利用するという安心感、あまり客のことは意識しなくてもよいという緊張感のなさがこういう状態を作っているのだと思います。
緊張感を生むには競合が必ず必要です。それがないと怠惰になって、なりゆき任せ、問題が起きてもすべて人のせいにしていくのが、人間の性だと思います。
それでは、チュース!!

408.なぜ日本ペイントはひさしを貸して母屋を取られたのか

日本ペイントは日本の塗料業界再大手、世界第5位、創業130年日本最古で、最初は軍艦の塗装から始まった老舗名門企業です。しかも業績は自動車、建材業界中心に絶好調です。株価は10年前の10~15倍です。この会社に何が起きたのでしょうか。日本ペイントは先週3月28日の株主総会で、60年前からアジア進出の時の合弁会社のパートナーであり筆頭株主のシンガポール、ウットラム社オーナーが推す10人の取締役の枠のうちの6人を承認する案を可決したのです。筆頭株主といっても、39%で過半数は取っていません。それまでは、ウットラムからの取締役はゴー代表一人でした。どうしてウットラムの提案を取締役会で承認したのか、理屈では39%では株主総会での議決権争奪戦で勝てません。なぜ日本ペイントトップは、すぐにゴー氏に白旗を上げて一番大事な130年守った経営権を簡単に明け渡したのでしょうか。ちょっと信じられません。私は10年ほど前に2年間、日本ペイントの風土変革、部長研修の仕事で深く関わり、現在の取締役、執行役員の方たちを多く知っていたので、この事件は衝撃的でした。しかしやっぱりそうなるかなという感じもしました。以下は事実に基づく私の推測です。

「シンガポールで塗料を売りたい」という一人の華僑が日本ペイントを訪れたのは60年前でした。その後アジア進出の合弁会社11社を次々と作って行く時の信頼できるパートナーがその華僑の会社ウットラム社でした。その長い期間、日本ペイントは寛大に対応、技術、製造のノウハウ、スキル全てをウットラムに与え続け、ウットラムはアジア成功の過程で強大な力、富を蓄えていきました。日本ペイント経営陣はウットラムへの恩を仇で返されるはけっしてないと長く信じていました。確かに初代オーナーならそこの信義を大切にして今回のようなクーデターは起こさなかったはずですが、ウットラムの実権は2代目です。完全にビジネスライクに徹して、いかにして日本ペイントの実権を握るかを着々と長く考え続けていたのです。ウットラムは2008年に日本ペイントの出資を9%から14%に引き上げました。日本ペイントは14年にアジアの多数のウットラムとの合弁会社の日本ペイントの出資比率を51%に引き上げることにより日本ペイント連結での売上高を2600億から、5400億に大増進しました。しかしその交換条件としてウットラムの日本ペイントへの出資比率を14%から39%に引き上げることをウットラムに承認しました。これが結果として命取りになったのです。

トップマネジメントはこのプロセスで大きな判断ミスを犯しています。①ウットラムの2代目ゴー氏を信用しすぎている。39%の大株主でも、先代からの関係から手荒なことはしてこないと信じていた。もちろんゴー氏も39%を入手するまでは、おとなしく先代にならった振る舞いをしています。旧マネジメントは最後までウットラムがクーデターなど起こすはずはなく、旧トップはゴー氏と話せばわかると信じていたようです。②世界規模の拡大で世界のトップ企業に出られるという夢を追いすぎ、無謀な危ない取引をゴー氏としてしまった。③ゴー氏から取締役10人中、6人の取締役の株主提案は株主総会の議決権決戦で否決は可能である。39%は過半数に届かないが、ゴー氏は海外投資家に自分が経営した方が企業価値を上げると説いてまわり、過半数を自分が取れると日本ペイントに脅しをかけていた。ゴー氏は、日本ペイント側は争いや対立を極度に嫌がることを知っていたから、反撃に出る可能性は少ないと判断、その脅し作戦を取ったのです。案の定、前経営陣は、すぐに白旗を立てて本丸をいとも簡単に明け渡しました。最後まで会社を守り戦う強い意志がなかったのです。

なぜ、こんな弱いマネジメントがこれほど大きな老舗会社で起きてしまったのか。私は先々代の松浦社長、先代の酒井社長(会長)とその右腕の専務と、いろいろ関わらせて頂きました。この弱い、優しい、マネジメント判断のもとは当時のトップ、幹部社員の体質、風土にも出ていました。事実として①松浦社長は、コンサルタントの私に、日本ペイントはダメな会社、ダメな社員ですが、なんとか強くして欲しいと言われました。半分冗談にしても謙虚すぎます。もっと強い自分たちに自信を持ち、強いリーダーでなければ会社、社員をリードできません。②トップ同士の入るミーティングでトップがお互いに○○ちゃんで呼び合い暖かい雰囲気はありましたが厳しさは感じませんでした。③研修、コンサルの中で、私は「日本ペイントの常識は世間では非常識」「ぬるま湯のゆでガエル状態」「温泉まんじゅうをわける格子が社内中にありお互いが殻にこもって仕事をしている。踏み込まない」のような発言をいつもしていました。率直に発言する私を当時の専務が気にいってくれ、2度仕事のオファーを受けました。最初は人財部長、次はグローバル担当執行役員、まだ50代前半でエネルギーがありましたから2回目の時は心が動きました。しかしその専務から「あなたが入ると、社内の和が乱れるから、反対という意見が幹部社員から多くでており、この話はなかったことに」と言われました。その話は研修中に複数の部長からも言われましたから真実です。上も、下も波風立てることが大嫌いで、対立、争い、論争はなしですましたい仲良しクラブそのものでした。ほんとうに優しい、ゆるい、居心地の良い会社でした。③創業から130年、ずっと繁栄してきました。市場規模もそれほど大きくないので、日本最大手で新規参入も少なく、業界の仲間内でことはすむので危機感は会社全体にゼロだったと思います。ですから、会社変革、自己変革など必要はなく、流れのままで良いと会社全体で思っていました。合弁パートナーに刺されるなど、ほとんどの役員、幹部社員は直前まで気がつかなかったと思います。ウットラムを下に見ていました。

本丸を外資に明け渡してしまったのですから、もうこれは済んだことです。しかし今回の乗っ取りがマイナス面ばかりかと言うとそうでもないと思います。日産のゴーンさんやシャープの例もあり、外国人の経営によって、旧態然があらたまり、企業価値が高まる可能性はあります。これから、革新的な戦略、人事制度の導入、人事異動、リストラが始まるでしょう。ゴー氏はそれによって企業価値を向上させるのです。問題は現在の優秀だけれど甘い、ゆるい、危機感のない社員がそれについていけるかどうかです。もちろんその急激な変化について行けず辞める社員も出てくるでしょう。それは当然です。しかし現在の社員をゴー氏+5人の新経営陣がその気にさせて力を出させないと、業績は一気に落ちて行くでしょう。旧体制派の4人は近々、ゴー氏に近い人と交替になるでしょう。それが経営の現実です。残しておいたら逆クーデターの可能性があります。

私の得た今回のクーデターからの教訓です。①どんなに長いつきあいで信義があろうと、ビジネスは経営権を如何に取るかと、経済合理性で動いていることを再認識すること。人間同士の過度の信頼・信用は仇になる。最後は情では会社は動かない。②リーダーに求められるのは、先を、人を甘さなしで鋭く読む洞察力と、それを実行する強いリーダーシップである。優しいだけの人気の高い、いい人、弱いトップは不要である。リーダーが強くなくては会社を守れない。危機に合ったら戦う勇気は絶対に必要です。(国も同じです)③危機感はトップも社員もいつも持っていないといけない。そのために社内は厳しく向き合い、おかしなこと、怪しいことは自由に言い会える環境にしないといけない。絶対にゴー氏の狙いがわかっていた幹部社員はいたはずです。

きょうは長くなりましたが、それでは、チュース!!

389.変革は自分がまず変わらなければ何も起きない

意識、業務、組織、の変革や、改革という言葉が巷で飛び交っています。私もそれをテーマにした、講演、研修を良く行います。会社で困っていること、心配なこと、面倒なこと、うまくいかないことは、共通のものも多いですし、会社ごとに異なることもたくさんあります。戦略・ビジョンがない、伝わってこない、コミュニケーションが悪い、部門間に壁がある、部下が言う事を聞かない、指示待ち社員が多い、上司が無能である。会社の施策が弱い 等々、さまざまな問題が上がってきます。

その問題の原因分析は事実をベースに考えて行けば、そんなに難しいことではなく。根本原因はいくつかに集約されてきます。そしてその対応策としての課題、打ち手を上げ、ステートメントを書くこともできます。しかしその個人、組織、会社が変われるかどうかのポイントはその課題、施策がすべて人ごとになっていて傍観者、評論家の立場で書かれているか、当事者になって自分自らが動く姿勢があるかです。多くのダメな組織・個人は、問題、課題はすべて人ごと、周囲、部下、上司、会社、組織、風土、仕組みの問題にして終わらせてしまいます。つまり自分は何も悪くなく、すべて他人の責任(他責)にしてすませているのです。ほっといても組織、会社が右肩あがりの時は、そのような風潮がありました。他責の上手な人が出世していきました。それも事実です。しかし世の中は大きく変化しています。本当に変革、改革が必要な時代になりました。バブルの頃、その後は、変革や、改革は言葉だけでよく、やるフリでも良かったのです。ですから、他責にして結果、誰も何もやらなくても業績が悪化する事はありませんでした。

しかし、環境変化の厳しいこれからの社会は違います。人ごとにせず、自分の問題として、わからないことは自分で聞き、情報を取り、周囲、上司を巻き込み、行動を起こしていかなければならない時代に変わりました。これはマネジメントから現場まで同じです。自らが変革のためのを行動をしないといけないのです。

スタートは自分がするのです。人を待っていてはいけません。何事にも最初はありますから、自分がその口火を切るのです。自分が行動を起こしてまず変わらなければ、組織、会社は変われません。じっとしている方が無難という価値観ではなく、動かなければ、ゆでガエルになるぞという、危機感を全体の5%から2割の人が待たないと組織は変わっていきません。そのリーダーにあなたはなりましょう。変革をリードするのはおもしろい仕事です。組織、会社が変わればそれもおもしろいです。

それでは、チュース!!

327.健全な危機感の醸成

一流企業、特に優良企業のメーカーの管理職の方たちの研修で気になることは、自分の会社への危機感があまりないことです。会社は業績順調、長年培ったブランド価値は高い、財務内容も健全、業界での地位もトップ、良い顧客を持ち、人材も豊富、技術も優秀となると「自分たちの会社は永遠に不滅です」と長嶋監督の引退スピーチみたいな錯覚に陥っている人が多いでのす。会社はいまのままで大丈夫と思いこんでいるのです。

この人たちの良い特徴は、地頭が優秀で理解力がありレポート作りはうまい、討議・ファシリテーションはうまくできる、謙虚、自分自身の成長意欲が高い、言われたことはきちんとこなす、さばくことができます、チームワークも得意です。しかし弱点は、揃いすぎていてあまり個性がある人が少ない、突飛な意見は出ないか、出さないようにしている。自己抑制が効きすぎて目立たないようにし、出しゃばることはしない、すぐに正解を求め、そこから逆算してきれいなプロセスを考える。少しはみ出た人がいないことです。もっともプレイヤーではみ出た人は管理職候補にはなれないのかもしれません。金太郎飴的な人が多く、身の回りの課題をそつなくこなしていれば、自分は出世、昇進できて良い暮らしができると思っています。確かにこれは間違いではないのですが、全員が小さくまとまってしまうと、会社が危機に遭遇した時、何か打たれ弱い感じがしてしまいます。社員には肉体、精神タフで少し尖った人も危機の時には必要だと思います。

ある程度の危機感というのは、社員に今のままでは会社はそのうちダメになってしまうからと、将来を見据えて、自分の強みの棚卸と拡充をしようという気にさせます。あまりに大きな危機、たとえば富士フイルムの写真フイルムが急になくなるようなことは困りますが、小さな健全な危機感はいつも持っている必要があります。そうしないと組織は緩みます。甘くなります。たるんできます。その対策として会社の中にストレッチ、チャレンジした新規事業があり、それが最初は赤字の状態が続いているものを意図的に作ることです。あの事業を黒字にできないのに慢心している場合ではないと社員に思わせることです。サントリーが長年ビール事業を赤字の状態でも続けて黒字化させたのが良い例です。会社にとって社員が、この会社はもう大丈夫、自分は何をしなくてもOKという慢心が一番恐いことなのです。

それでは、チュース!!

298.20年後のいい会社になるために健全な危機感を持つ

いい会社とは何でしょうか、ビジョンを作ったり中期計画作成のお手伝いをすると、このテーマが良く議論になります。外から見える指標は、売上、利益、成長率、顧客満足、従業員満足、グローバル化率、等々いろいろあります。ちょっと違う視点からですが、私は自分の息子や娘を入れたくなる会社というのが、ひとつの共通の結論だと思います。

自分の生活のために、嫌々ながら我慢して会社生活を送っている人たちは、子供に同じ苦労はさせたくないと思いますから、今自分の勤めている会社を子供たちに推薦しないでしょう。一方で私が訪れる多くの会社は優良会社で業績順調、ブランド、待遇、給与、福利厚生も良く、社内も良い人たちだらけですので、自分が経験した楽しい仕事を子供たちにも味あわせたいと思うので、自分の会社に入社させようとします。それは素晴らしいことです。ただこうような会社には共通した特長があります。現在の好調なビジネス環境が未来永劫に続くと思っている人が多く、保守的、受け身、チャレンジ精神は少なく、でしゃばらない、目立たないように仕事をしている人が多いです。そのほうが高い評価をされると信じています。職場風土も人間関係の和が第一で、ギクシャク、ギスギスすることは嫌います。相手に踏み込みません。穏便に穏便に事を進めるために甘め、緩めの会社になります。ちょうどゆでガエルのたとえ話で、程良い温度で気持ちの良い状態です。誰かがこつんとビーカーを叩けば良いのですが、誰もそういうことはしません。コンサルの目から見るとこう言う会社は、もっと外に目を向けて、自社や自分たちの置かれた状況をクールに客観視することが必要であり、尖ったことをいったり、やったりする適度なチクチク刺激をする、フナの群れにナマズのような人がいると良いのですが中からはそういう人は出てきません。経営陣が外から中途で強制的に入れたとしても、元からいる人に「和を乱す危険人物」として弾き飛ばされることがほとんどです。例外として、相当な野心家、トップと握っている、かなりの悪の人が、元いた人たちを駆逐したケースを知っていますが、それは稀です。

会社がずっと今の良い状態が続けば問いのですが、ビジネス環境はそんなに甘くありません。私がいた写真フイルム業界の巨人コダックは、英語の辞書にも、Kodak=写真を撮ると出ていました。Xerox=コピーを取ると同じです。アメリカのロチェスターに本拠地を置き、130年栄華を築き、ファミリー4代が勤めたという美談もたくさんありました。その会社も2010年には、写真フイルムがなくなると供に消えて行きました。アグファやコニカも近い状況でした。

社会環境、競合環境の変化は本当にすさまじい早さで進んでいきます。ちょっと時代に乗り遅れると会社は簡単になくなってしまいます。経営は本当にたいへんですが。うまく時代を捉えられ、自社の強みを活かすことができれば、また次の波に乗れます。それが経営者の醍醐味なんだと思います。そのためにまず大事なことは、経営者、幹部社員がまず危機感、それも今、頑張れば将来はなんとかできるという健全な危機感を持つことです。トヨタ自動車も元は機織り機械の会社でした。それが大きく変身していったのです。20年後も良い会社でいるために、まずは健全な危機感を持ちましょう。

それでは、チュース!!

 

211.三菱自動車の隠蔽体質は危機感のなさが生む

とうとう日産自動車の傘下に入ることになりそうな三菱自動車ですが、不祥事は20000年くらいから3回目です。リコール申請なしや、欠陥自動車の隠蔽、今回の日産から指摘された燃費不正隠蔽、これはもはやたまたま、偶然ではなく会社全体に真実を隠す隠蔽の風土があります。東芝や旭化建材の時も同じですが、トップやマネジメントは全然知らないことになっています。今回の会長、社長会見でも「知らないことで逃げのがれはしない」と言っていますが当事者意識は薄く見えます。というか、こういう会社には部下はトップは知らないことにして不都合なコトは自分たちの責任で進めていこうという体質があります。これは多くの日本の会社にあります。これがうまくできた人が、昇進していきます。ホントのことを下が内部告発したら、たいがいの場合わからないうちに存在を消されて行ってしまうことが多いです。

こういう職場、会社では本音を言ってはいけない環境が出来上がっています。事実と違っていても建前が横行しています。建前でないといけないということで、事実からどんどん目をそらし、事実は見えなくなっても来ます。不正など絶対に当社ではありえないと全員信じています。

何故このようなことが起きてしまうのでしょうか。それは私は危機感のなさだと思います。この会社はいつまでも永遠に続くと信じているのです。少なくともトップは自分の任期中は大丈夫と思っています。うまくやりすごせればよいと思っている人もいるでしょう。もちろんそうでない立派な社長もたくさんいますが、そういう人はオーナー経営者に多いです。自分の子、孫まで今の良い会社の状態を継続して渡したいと思っているからかもしれません。それはオーナー経営の良いところであると思います。

加えて三菱自動車は、なぜ過去の反省が生かされないで同じことを繰り返すのか、それは何か不祥事があっても三菱という日本最高ビッグブランドのもと、最後は三菱商事、銀行、重工から救いの手がくるという他力のところがあるからだと思います。三菱ブランドは偉大である反面自立できない弱さもあります。三菱ブランドのプライドはすごいものがあります。以前三菱商事の部長対象に研修インストラクターをしたことがあります。事例としてトヨタ自動車の手法を出したところ、三菱をトヨタと一緒にするなと複数の部長はマジでキレていました。私見ですが、今回問題になった三菱自動車には、庶民感覚の必要な軽自動車は向いていないと思います。今回日産と軽自動車を協業するのは妥当だと思います。三菱は上から目線でしか市場を見られないと思います。もちろん視座を高めて大所高所から俯瞰してビジネスをすることを三菱はとても得意です。あるところは、官僚以上だと思います。自分たちのことを民僚と呼んでいることもうなずけます。その分野で頑張るべきです。

軽自動車は大企業になっても、「スズキは永遠に中小企業」と言ってはばからない、庶民感覚のわかるスズキ自動車やダイハツにマッチした分野だと思います。

結論ですが、隠蔽体質は、本当の危機感のない職場、会社から起きると思います。日本の会社のこの隠蔽体質は急速に変わってきています。しかしながらブランド力が強い伝統的な大きな会社、今のままでいけると思っている会社はちょっと危ないところもあります。

それでは、チュース

210.悪い情報が上がらなくなった組織は危ない

先日、新東名の新名所になっている、清水と沼津のサービスエリアに寄りました。今までの飲食とトイレの提供という機能ではなく、そこにいることが楽しくなるような作りです。トイレは高級ホテル並み、女性用には豪華な化粧スペースもあります。ショップもとりあえず必要なコンビニに加えて、高級ブティックが入っています。地元の物産も箱に入れたお土産品だけでなく鮮度の良いそこでしか手に入らないものをリアルに実演販売しています。思わず生桜海老と生シラスを買ってしまいました。レストランも高級店に加えて、地元ならではの「富士宮やきそば」みたいなファーストフード、さらに東南アジアによくある、小さな屋台風の店が並んで、そこで買ったものを机と椅子をたくさんおいた広いオープンスペースで自由に食べられるようになっていました。建物の外観、内装、スペースも今までにないお洒落なものに変身しています。特に沼津では、駿河湾が高台から一望できこの眺望だけでも寄る価値があります。今まで東名では、富士山がよく見える富士川サービスエリアが一番の人気でしたが、たぶん多くの客が新東名に流れてしまっていると思います。

新東名のサービスエリアの話が長くなりましたが、きょうはその話が主題ではありません。新東名のそのエリアの管轄会社は、同じエリアにある中央道も管轄しています。新東名のサービスエリアのオープンで盛り上がっているちょうどその頃、笹子トンネルのコンクリート天井板落下事故が起こり、多くの方が犠牲になりました。中央道は開業から30年以上が経過していますが、トンネル天井板の落下する事故は、その間に他の高速道路も含めて一度もありませんでした。しかし、点検作業をする関連会社からは、その安全性についての懸念はレポートとして上がっていたようでもあります。もちろん絶対に事故が起きるということではなかったと思います。

組織のトップやマネジメント、上司はややもすれば、おいしい話、楽しい話、自慢できる話、うれしい話、など良い話に関心が向きます。聞きたがります。私の仕えた上司には、自分に都合の悪い話はいっさい聞かず、良い話に変えて持って来いという人もいました。この上司は極端ですが、悪い話、情報が流しづらい職場は、たくさんあると想像します。こういう職場は、まちがいなく職場の雰囲気、風土も悪いです。悪い情報を放置した結果、対策を取らずに惨事が必然として起きたり、後で悪事が露見して会社存続の危機にまで追い込まれることにもなります。今、窮地に追い込まれている、名門自動車メーカーも数々の事件につながる悪い情報を知っている人は間違いなくいたと思います。しかし、それが言い出せなかった雰囲気があったのだと思います。

会社のマネジメントの立場の人は、悪い情報優先で部下に報告するように指導しでください。良い話はあとでいいから、と言ってください。それがリスク管理をしっかり果たすマネジメントの重要な役割だと思います

それでは、チュース

168.危機感と「ゆでがえる」

世間でよくいわれる「ゆでがえる」のお話、ご存じと思いますが、知らない方のために説明しますと、かえるを、水を入れたビーカーに入れて、下からアルコールランプで温めますと、沸騰するまでそこにいて「かまゆでの刑」になります。熱くなってきても、まだ大丈夫、大丈夫と思い続けるからです。しかし熱くなってきた時に、ビーカーをこつんと叩けば、思い切りよく飛び出して、かえるの命は助かります。でも何もしなければ、死んでしまいます。

会社の状況にこの例はよくたとえられます。どんな会社でもいつまでも未来永劫同じことでやっていては衰退していきます。その危うい変化は日々徐々にやってきて、深まっていくことが多いので、毎日忙しく仕事があるとその変化はわかりません。ゆでがえるの言い方を変えれば、「真綿で首を締めあげられるように」が良いでしょうか。どちらにしても避けたいことです。

昔、ロンドン駐在の頃、よく科学博物館に行きました。1Fのメインの場所に、アポロ宇宙船の横に、豊田自動織機が展示されていました。1870年代この機械が世界の紡績業界を英国製に替わって制覇したとあります。私はトヨタさんとは関係ありませんが、日本人の優秀な先人の業績を誇りに感じました。ここで得た莫大な利益をもとに、今の自動車業界に進出していったと説明していました。トヨタとて時代の先を読んで、バクチに出ていたことがわかります。後で繊維関係者に聞きましたが、豊田自動織機がなぜ英国製を凌駕できたか、それは「糸がきれると機械が自動的に止まり、不良品を作らない構造」であったそうです。英国製は糸がきれても、止まらず不良品を大量に作ってしまったそうです。織機から自動車に業種は変えても「トヨタ式の哲学」が継承されていったのはすごいことです。

では、業績が悪くなりかけたり、競合に負けはじめたり、代替品が脅威になってきた時、どうすれば良いのでしょう。私がいた写真フィルム業界のように、デジカメが3年で従来の銀塩フィルムを駆逐するような急激な変化なら、その危機は誰にでも認識されて変革に動きます。しかしたいていのビジネスでは、変化は少しづつ迫ります。ですから気づいた誰かが、「危ない、行動しなければ」と叫んで、動き出せばいいのです。それは視点が高く、視野の広いマネジメントがまずその役割ですが、現地、現場、お客さんの変化を生で感じている、第一線がトリガーにもなりえます。生の声を役員室まで伝えなければなりません。残念ながら中間で消滅してしまうことも多くありますが。
その変化、変革への対応を阻害する一番の要因は、日々の目の前の仕事の忙しさで、精一杯で新しいことは、できない、無理、無理、このままでなんとか、しばらくは行けるよ、大丈夫という意識だと思います。このことを、ある会社のマネジメントの方は、「変化、危機に対する無意識な当事者意識のなさ」と言っておられました。問題なのは、無意識なことです。当事者なのに、問題はない、ないことにしようという意識です。そうなると、変革課題はあっても放置されたり、具体性のない抽象度満載の課題にあえてしてしまいます。

もし、幹部社員、社員に真の危機意識(このままではだめだ、変らないといけない)が生まれれば、危機を自分の問題として捉えるようになれば状況は変わります。課題はより具体的になり、上下、同僚で仕事に対して厳しい向き合い方になります。社内での情報共有、相談が増えます。そして実行していきます。危機が迫っていると実感できたら、そうなります。
元日本サッカー代表監督オシム氏の言葉「ライオンに追われているうさぎは、足が痛いとはけっして言わない」当時の日本代表選手の甘さを指摘した、たとえ話として有名です。

この危機感をいつも社内にどう作るか、これはマネジメントの大きな役割です。言葉だけで言っても伝わりません。あえて赤字部門を作っておく経営者もいます。サントリーのビール事業が良い事例かもしれません。クライシスシナリオをいつも書き続け、そうならないようにする課題を作り、実行していく経営者もいます。

それから危機感は恐怖感とは違います。危機は想定できれば、その対応を考え実行して危機を回避すれば良いのです。しかし恐怖は恐ろしさあまり、そこに立ちすくんで何もできずに、破滅していきます。
マネジメントは、危機感の醸成は必須ですが、恐怖感を社員に植え付けていけません。

それでは、チュース