組織風土活性化や、いきいき職場がテーマのワークショップをしていると、コミュニケーション良化の第一歩、職場で一番大切なものは、職場のメンバー同士の朝夕のあいさつ、顔を合わせた時のあいさつであるという結論にだいたいなります。最近は、朝来てもスーッと入ってきてすぐにパソコンに向かって一言も発せず、すべてメールでやりとりしたり、定時になって仕事が終了すると、お疲れさま、お先にの一言も言わずに、去っていく社員が増えているそうです。当然ですが若者が圧倒的に多いです。業界ですと、IT、設計、技術の理系の職場、個人の歩合で収入が決まる、金融、証券、物品販売の会社が多いです。人を相手にする、教育、医療、福祉、サービスは比較的少ない感じです。私の家の近くの小学校でも、あいさつ運動が毎年ありポスターや標語が最寄駅に良く張ってあります。
あいさつをしよう、それは職場、組織の基本ということはよくわかります。あいさつをすれば、朝から気持ちがいい、帰り際に交し合えば、気持ちよく家路に着ける、というのはそのとおりです。しかし、そもそも、なぜあいさつをしないといけないのか、その議論はあまりしませんし、その理由もはっきり聞いたことはない気がします。以前ワークショップでそのことを議論したことがあります。あいさつを双方がした場合としない場合で何が違うのか、自分がしても相手がしない場合という経験もあるでしょう。そんな時はむっとします。それは相手から無視されたからです。相手が自分の存在を認めなかった、自分の存在承認をしなかったからです。私たちの多くは、組織で仕事、生活します。チームとして協力して目的、目標に向かっていきます。そしてその時は相互信頼は必須となります。個々では戦えないからチームとして敵に対して作戦を立てて実行していかなくてはならないからです。仕事でない同好会でも、相互信頼はベースでそれがないと、チーム活動はできません。
動物でも群れを作って生活しているたとえば、猿や鹿などは、何かしらの上下関係を含んだあいさつがチームにあるでしょう。しかし孤高で生きチーム活動しないオオカミや猛禽類はあいさつは不要なのかもしれません。自分一人で生きていけるからです。となると、人間でも自分の単独のスキル、能力、技術で生きられる、職人さんの世界、スーパー外科医、ITエンジニア、技術設計者、建築家などは、あいさつは不要なのかもしれません。あいさつなどしなくても、その技術、能力が卓越していれば、みんなそれに寄ってきて仕事の依頼をしてくれます。私の経験でも、そういう人たちはあまり人に、私にあいさつなどしなかったような気がします。それで良いのだと思います。しかし集団生活の中で生きる多くの人には相互信頼は必須です。江戸時代以来いまでもある、村で、ある人、家族を火事と葬式以外は徹底的に無視、シカとする村八分の集団行為は最も厳しい掟です。私的制裁です。相互信頼不要な、ポツンと一軒家の人は別です。もっともそういう人は村の集団生活、掟がいやで出ていったのかもしれません。
きょうの結論、あいさつは、集団で活動、生活していく時の必須である相互信頼の基本である、相手の存在を認める初歩的な行動だから、相互に、上下関係なく相互にしないといけないということであります。
それでは、チュース!!