77.アメリカ市場での大失敗 P社向けプラズマTV用POFの話

きょうはアメリカ市場での新規ビジネスの失敗話です。まだ液晶 vs プラズマの争いが激しく決着のついていなかった10年ちょっと前、私は勤務していた会社で新規事業のプラスチック光ファイバー(POF)の北米市場での市場導入をしていました。私は英国から戻って後から入ったのですが、北米市場では一般家庭のリビングが馬鹿でかい、だから大画面のプラズマTVを壁にかけると、それからかなり離れたところにあるコンソールボックスとを有線で結ぶ必要がある。その時最適なのがプラスチック光ファイバー(POF)で細かい差別点は忘れてしまいましたが、性能、価格、融通性、で競合の金属ファイバー、電線、無線に絶対勝てるという算段でした。アメリカだけで1本15万のその30mPOFシステムは、50万本の需要があり市場価格で750億円売れる大きな計画でした。幸いにも日本の大手プラズマTVメーカーP社が興味を示してくれ、ラスベガスの大きなショーで展示、その後市場展開してくれる予定でした。

しかし事件はその時起りました。我が社のPOFがショーで展示されていないのです。話が違うとクレームをつけようとして、P社の担当に会いたいといっても、多忙、不在でとうとう最後まで会えませんでした。結局その製品は50万本の0.1~0.2%しか売れませんでした。私もさまざま製品の市場導入をしてきましたが、このはずし方、滑り方は、異常でした。

なぜこんなことが起きたのか、私は途中から入ったので、進んでいるプロジェクトにクレームはつけられなかったのですが、品質重視の大メーカーによくある、製品ありき、品質ありき、技術ありき、で価格は置き去り、お客は置き去りという、プロダクトアウトの典型です。良いもの、品質が高いものは売れるはずという幻想です。プラズマTV70万+POFケーブル15万=85万に対して、これより安い液晶にも勝てず、さらに安い、液晶TVの半額のプロジェクションTV30万+電線ケーブル1万円には全く勝てなかったのです。ご存じのようにプラスティック光ファイバーとは別次元の問題で、プラズマは液晶、プロジェクションTVに負け撤退しました。また当時日本の液晶TVメーカとして絶好調だったS社も、技術をサムソン、LGにパクられ大苦戦しています。勤務していた会社はPOF事業では多大な設備投資もしていて大損でしたがすぐに撤退しました。正しかったと思います。

POF事業の拡大のため、優秀な技術者を数人~10数人中途採用しましたが、仕事がなくなり会社から去って行きました。希望を持って転職してきたのですが、悲しい結末でした。これも運命と思ってあきらめるしかないです。でもいったい何が悪かったのでしょうか。いまだに総括されていないような気がします。それをすると責任を取らなければならない上層部の方がいるからでしょうか。でもそれでは同じ失敗を繰り返してしまいます。ヒトを責めずに、コトを追求する。言葉ではきれいに言えますが、実際はヒトに集中するので、みんな避ける傾向がどこでもあります。でも強い会社はやってます。そこが違いです。

それでは、チュース

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